34歳からの数学博士

数学徒・プログラマ・一児の父

任天堂さん、ありがとう

ゲーム「あつまれどうぶつの森(通称、あつ森)」が我が家にもたらしてくれた恩恵に対して、開発元の任天堂さんへの感謝の気持ちを綴る記事です。

 

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3月末にコロナウィルス感染拡大による緊急事態宣言が発令され、娘(5歳)の通っている幼稚園も2ヶ月近く閉園となっていました。

 

外に出られず友達とも遊べない、家でも親が仕事をしていて遊んでくれないという環境の変化は子供にとってもストレスが大きかったはずです。そんな中、「あつ森」の島の中で魚を釣ったり虫を捕まえたり、DIY したりファッションを楽しんだりしながら、なんとかこの期間を乗り切ることができました。

 

あつ森がなかったら、この在宅期間は相当厳しいものになっていたと思います。大袈裟に聞こえるかも知れませんが、あつ森が家庭の危機を救ってくれました。

 

5月末に緊急事態宣言が解除され、6月には幼稚園も再開されました。たまたま上野の 国立科学博物館 も営業が再開されたことを知り、「あつ森で魚や虫の名前もたくさん覚えたことだし、前より楽しんでくれるかな?」と、ネットで予約して家族3人で行ってみました。

 

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以前は恐竜を怖がり、他の展示にもほとんど興味を示さなかった娘ですが、今回は食いつきが全然違いました。

 

「あ、ジンベイザメにコバンザメがくっついてる!」

「見て、モルフォチョウいるよ! ヨナグニサン見つけた!」

 

ゲームで覚えた生き物の標本や模型を見つけて大興奮でした。あつ森が知的好奇心のエントリーポイントになったことは間違いありません。

 

近くにいた親子も「タガメいたよ!」などと盛り上がっていたので、彼らもあつ森民に違いないとほっこりしました。

 

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最近は母(娘の祖母)もあつ森を始め、オンラインで娘と一緒に遊べるようになりました。母は都内在住ですが、遊びに行くにはそれなりに距離があるので、コロナ禍が始まってからまだ一度も娘を会わせることができずにいました。

 

今は LINE で通話しながらお互いの島を行き来して、洋服や資材を交換したりして楽しくやっています。

 

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僕はスーパーファミコン世代で、幼少の頃はよく兄とゲームで遊んでいました。母はゲームに寛容で、「ゲームのおかげでひらがなも読めるようになったし、ゲームは教育に良い」などとよく言っていましたが、僕も親になって同じように感じています。

 

その頃から30年近く経った今も、3世代に渡って楽しませてもらえてるんだから凄いことだなと思います。任天堂さん、本当にありがとうございます

 

Nintendo Switch はまだ世界的に品薄で、正規の販売価格では手に入りにくい状態が続いているようです。入手を待ち望んでいる多くの人たちに、早くこの楽しい時間が届けられますように。

 

(Twitter で「Switch 在庫情報」を発信しているアカウントもいくつかあるので、それらのアカウントをフォローして入荷情報をウォッチしておくと定価で手に入る確率は上げられると思います。「どうぶつの森セット」の定価は 2020年7月現在 39,556円 です。)

 

Nintendo Switch あつまれ どうぶつの森セット

Nintendo Switch あつまれ どうぶつの森セット

  • 発売日: 2020/03/20
  • メディア: Video Game
 

 

P.S. こちらは在宅期間中に一緒に遊びで作った実況プレイ動画です。テレビ画面をスマホで直接撮影した手作り感満載の仕上がりになっています。よかったら見てやって下さい。

 

 

国立科学博物館の研究員さんにインタビューをしたこちらの記事も面白いです!

www.excite.co.jp

 



 

中間報告 〜 博士課程一年目を終えて

4 月に博士課程の二年生となりました。博士課程一年目の振り返りと、コロナウィルス感染拡大の先行きが見えない状況での今の思いを綴っておこうと思います。

学業について

学振の特別研究員(DC2)に採用されました

4月から学振の 特別研究員(DC2) に採用されました。この先の2年間、研究目的達成のために毎月20万円の研究奨励金が支払われます。

進学時点では特別研究員を志願する意思はありませんでしたが、やはり研究と仕事の両立は難しく、研究にフォーカスする上では採用された方が良いと考えを改め、申請することにしました。

噂にも聞いていた通り書類の準備はめちゃくちゃ大変で、面接も含めると期間が 9 ヶ月と長く精神的にもタフでしたが、その準備を通して今後の研究の方向性を見定めることができたのはとても意味のあることでした。

書類・面接の準備にあたっては、みのんさんの記事から大いに学ばせて頂きました。この先応募を検討されている方はご参考にされると良いと思います。

また面接については湯淺さんの記事も参考にさせて頂きました。数学の近い分野を研究されている方なので、本番も緊張し過ぎずに臨むことができました。

共著論文を公開しました

同研究室の佐藤光樹さんとの共同研究を完成させ、論文を arXiv に公開しました。

主結果は「ある結び目不変量の計算アルゴリズムの存在を証明し、プログラムを開発して 11 交点以下の全ての結び目に対してその値を決定した」というものです。

計算アルゴリズムができても具体例での計算量は凄まじく、研究開始当初は目標の達成は不可能に思えました。計算のボトルネックとなっている部分を、理論と実装の両側からのアプローチによって一つ一つ突破し、最終的には目標としていた対象について計算を完遂させることができました。

8 ヶ月に及ぶこの共同研究は、佐藤さんが作り上げてきた理論と僕が培ってきたプログラミング能力のコラボレーションによって進み、たくさんの壁にぶつかりながらも二人で論文を完成させることができたのは実に感慨深いものでした。

初論文がアクセプトされました

昨年の 4 月に、修士論文を元にして書いた初論文を論文誌に投稿しました。それが約一年間の査読期間を経て、今年の 3 月にようやくアクセプトされました。初めて書いた論文の初めてのアクセプトだったので、メールを受け取ったときはめちゃくちゃ嬉しかったです。

4 年前、僕が修士課程に進学してすぐの頃に、ブログ INTEGERS の著者である先輩数学者の せきゅーん さんから「どうせなら論文投稿を目指しましょう!」と激励を受け、そのときは「いやいや、それは」と笑い流したものですが、査読期間を除けばそれに応えることはできたんじゃないかと思います。

今後は、この研究と佐藤さんとの共同研究の延長で、「結び目の s-不変量」の謎に迫るのが研究の目標です。

家庭について

修士課程に進学した時点では 1 歳だった娘も今や 5 歳になり、めきめきと女の子に育っています。

昨年の 8 月に、保育園から幼稚園に転園しました。

前に通っていた保育園では、クラスに極端に女子が少なく、保育の方針についても共感できない部分が多かったのですが、特に年度が変わってから娘が男子からいじめを受けているような話も聞くようになり、「これはいかん」と動かざるを得なくなりました。

幼稚園はお迎え時間が早いという先入観があったため検討していなかったのですが、調べてみたら近所の幼稚園は18時まで預かり保育を実施しており、運良くクラスにも空きがあったのでした。

幼稚園に移ってからは、女の子の友達もたくさんでき、自由に工作をしたり広い園庭で遊んだりできるようになりました。保育園では毎朝登園前にグズっていたのが、幼稚園では走って登園するようになり、本当に転園してよかったと感じています。弁当作りは面倒ですが。


(保育園よりも幼稚園の方が良かったという話ではなく、園によってそれぞれの環境や教育方針があり、うちの子供にとっては、前の保育園より今の幼稚園の方が向いていた、というだけの話です)

今後について

学振にも採用され、論文もアクセプトされ、子供のことも落ち着いて、「これからが最ものびのびと視野を広げられる期間になるだろう」と二ヶ月前は大きく期待を膨らませていました。

しかし日に日にコロナウィルス感染拡大に関する緊張感は高まっていき、ついに 4 月の緊急事態宣言を受けて幼稚園は事実上の閉園となり、日々の生活も大きく変えざるを得なくなりました。

現在は自宅でリモートワークの妻と分担して子供の面倒を見ていますが、いま世界中の子持ちリモートワーカーたちが感じているように、仕事(研究)と子守は両立できるものではありません。

数学者オイラーは、赤ん坊を膝にのせ、上の子供たちをまわりに遊ばせながら大量の論文を書いていたそうで *1、僕も数学徒の端くれとしてそれを真似してみようと試みましたが、やはり全然集中できないし、子供は遊んでくれない悲しみに泣きながらふて寝してしまう始末でした。

こんな状況の中で、子供に我慢をさせてまで僕が数学をやる意義って何なのだろうと落ち込みました。そんなときに、僕の指導教員であり、数理科学研究科の専攻長(当時)である古田幹雄先生が書かれた文章を読んで大変心を打たれました。

挙行することができなかった学位記授与式に代えて、修士・博士課程の修了生に贈った祝辞です。その最後の部分を引用します:


皆さんに、これから先のことについて、二つだけ、少しばかり歳を経た者からの個人的なお願いを述べさせてください。

第一に、皆さんが身に着けた専門性は、他の専門性と協力しあうことによって初めて十全に発揮されるものだと思います。どうかさらに広い心をもってお進みくださることをお祈りいたします。

第二に、どうか、まっすぐものを見る目を忘れないでいてくださればと強く思います。それは人によっては「夢」といってもいいかもしれないし、あるいは人によっては数学を楽しいと感じる「初心」といっていいものかもしれません。

決して明るくはないかもしれない時代に皆さんが確固としてご自分の足で立つために。

祝辞 | 東京大学大学院数理科学研究科理学部数学科・理学部数学科


この「夢」であり「初心」として書かれていることこそが、僕が数学に憧れた理由だったと思い出すことができました。

今はまだ、この状況に適応するのに精一杯な状態ですが、当面は家族の心身の健康を最優先にして、ペースを落としながらでも着実に研究・勉強を進めることを目標にしようと思います。

これを読んで下さっている方々も、それぞれ色々なご苦労があることと思います。 どうかお体に気をつけて、この苦しい時を共に乗り越えて行きましょう。

最後まで読んで下さりありがとうございました。

博士課程に進学しました

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3月に 東京大学大学院 数理科学研究科 修士課程を修了し、4月から同研究科の博士課程に進学しました。

3年間の振り返り

僕は3年前に数理科学研究科の修士課程に進学しました。現在34歳で一児の父です。大学院進学の前はソフトウェアエンジニアとして働いていました。学生に戻るまでの経緯は 3年前の記事 に綴ってあります。

研究テーマが決まるまで

入学後はずっと学力不足を埋めるのに必死でした。勉強と育児との両立も上手くいかず「時間が足りない…」と常に焦燥感に苛まされていました。一年半経過した辺りでこのままでは修論を書くことはできないと悟り、在学期間を一年延長する決断をしました(記事)。

その決断をしてからはある程度落ちついて勉強に取り組むことができるようになりました。趣味でやっていた「数学をコードで作る」活動も再開し、秋には iOSDC に参加したりもしました。

しかし修士論文の研究テーマは決まらないままでした。僕はプログラマをやっていたので、コンピュータが使えることが強みになるような「何か」を見つけたいと思っていましたが、それが見つけられずにいました。

修士論文が完成するまで

2018年の年明けに、先生から「結び目の Khovanov ホモロジー」というものがあると聞きました。調べてみると僕が趣味で作っていたプログラムに少し手を加えればこの計算もできそうだと分かりました。早速実装して、条件を変えたりしながら色々な例で実験してみる中で、不思議な規則性が目に留まりました。これを詳しく調べるところから僕の研究は始まりました。

同時期にもう一つ奇跡のような幸運に恵まれました。Twitter でとある「新米数学博士」の方と仲良くなり、実際に会ってみたいと思って DM で連絡を取ってみました。すると偶然にも、その方は4月から僕が所属している研究室にポスドクとして来られるというのです。彼の専門は結び目理論でした。3月から毎週僕のゼミに参加して下さり、結び目理論について何も知らない僕に色々と教えてくれて、研究に関しても多くの時間を割いて一緒に議論をしてくれました。

こうして研究が一気に進み、夏頃には一つ目の主定理が得られ、秋頃にはもう一つ困難を突破することができ、そこから Milnor 予想の別証明などいくつか良い結果が得られました。年末には論文のドラフトが出来上がり、結び目理論に関する 研究集会 でその結果を発表することもできました。

2019年に入り、1月末に修士論文を提出し、2月に論文審査を受け、3月に晴れて修了できる運びとなりました。

修士論文は「研究科長賞」を頂くことができました。この3年間、周囲と比較しないようにと気をつけつつも「遅れを取っている」という感覚はずっとあったので、受賞によってはじめて「何かはやれたらしい」という達成感を得ることができました。家族に対しても分かりやすい結果を見せることができて良かったです(何せ論文の内容を分かってもらうのは無理なので)。

4月からは論文誌への掲載を目指して論文を練り直しており、まさに今朝、論文を投稿したところです。掲載されるまでには査読を受けて受理される必要がありますが、ひとまずは投稿が済んでやっと肩の荷が下ろせたような気持ちです。

こちらが論文のプレプリントです。

改めて

3年間を振り返って、熱心に指導して下さった先生、一緒に議論してくれた先輩方、Twitter でいつも仲良くしてくれる皆さん、僕を信頼しサポートしてくれる家族に、深い感謝を感じています。

2年目の秋頃、まだ研究テーマも決まっていない頃に、先輩数学者でありブログ「インテジャーズ」の著者であるせきゅーんさんとお会いをする機会がありました。そのとき、せきゅーんさんは博士論文を書いたときのことを振り返りながら、 「たとえ数学的には ε でも、自分で見つけた定理には格別の思い入れがある」 と熱く語ってくれました。

そのときは「僕もそんな風に修論が書けたらいいなぁ」と憧れを抱くだけでしたが、今はその気持ちが分かるような気がします。定理を証明できた瞬間の喜びや、40ページの論文の厚みに対する感慨は、他の何物にも替えられません。

僕の人生の中で「数学の論文を書く」という経験ができて、本当によかったと感じています。

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主定理を証明できた瞬間

D進を決意した理由

博士課程への進学については、はじめからそうしようと決めていた訳ではありませんでした。最終的に決意したのは昨年末、論文を arXiv にアップロードして研究集会での発表を終えたときのことでした。決意の理由は以下の通りです:

  • 論文の主定理は何日も黒板の前で唸り悩んだ末に証明できた。自分なりに「それ」が少し掴めた気がした。
  • 3年やって「ひとまず満足」するかなとも思ったが、論文の結果はまだ拡張できる気がするし、まだ「完全に見えた」感じがしない。
  • 数学の重要性が再認識されている世の流れの中で、この先どう生きるにせよ博士号の取得は確実に有利になる。
  • 博士課程では週次のセミナーもないし、また在学期間を延ばす可能性を受け入れれば仕事と両立できるかもしれない。
  • 妻が「大変だったけど、結果的には学生になってくれて良かった」と言ってくれた。

学業と収入の両立

これまでは僕の貯金と妻の収入だけでやりくりしてきましたが、もう3年間それを継続するのは厳しいのが実情です。社会人ドクター制度を設けている会社に入るとか、フリーランスエンジニアとして仕事を受けながら研究もするとかも検討してみたのですが、それでは研究との両立は厳しいと感じました。

最大の難点は 拘束時間コンテキストスイッチの心的負担 です。僕はマルチタスクが得意なタイプではありません。特に数学は深い集中状態の中でないと取り組むことができません。その状態から無理やり抜けて、別の仕事に取り掛かるのは、頭に生えた樹木を根っこから抜くようなストレスを伴います。

研究と仕事を両立するには、仕事に取り組む期間や分量を自分でコントロールできる必要があると考えました。そこで3月は一旦研究から離れ、そのような仕事の可能性を探るために色々とやってみました。

一般向けの有料勉強会

3月中旬に「プログラマのための線形代数」を開催しました。有料の勉強会は未経験でしたが、 Twitter での告知 から始めて、30名を超える参加者にお集まり頂くことができました。会場は Twitter での呼びかけ に応じてメルカリさんが貸して下さいました、ありがとうございます。

一般向けの勉強会は、今後も適当なタイミングで時間を作って開催して行こうと思います。また、ご要望があれば、企業向けにプライベートな勉強会を開くことも検討したいと考えています。

勉強会の振り返り記事はまた改めて書きます。

オンライン動画講座(未遂)

上の勉強会で作った資料を元に、オンラインの動画講座を作ろうと考えました。動画なら一度作ってしまえば、あとは置いておくだけで収益が得られることが期待できるからです。ですが、実際にやってみると動画制作は想像をはるかに超えて大変で、3月中の公開は断念せざるを得ませんでした。

夏頃の公開を目指して、少しずつ作業を進めて行こうと思います。

月額クラウドファンディング

学術系クラウドファンディングサイト academist」で ファンクラブ (月額制クラウドファンディング)を作りました。こちらは現在44名もの方からご支援を頂いています、本当にありがとうございます。金銭的な支援だけでなく、皆さんから頂いたコメントは本当に励みになります。

社会人の方で大学/大学院に戻って専門知識を身に付けたいと考えている方は増えているようですが、生活に必要な収入学業に必要な時間 のトレードオフは重大な問題です。今後「学術系クラウドファンディング」は、この困難を突破しうる新しい道になるのではないかと夢を感じています。

学業と育児の両立

学業と育児の両立は、本当に大変です。この3年間の苦労は、大学の受験勉強の苦労や、会社員時代の苦労とは比にならないものでした。前にも引用しましたが、数学科の大学院生に求められる数学に対する姿勢とは次のようなものです:

朝起きた時に,きょうも一日数学をやるぞと思ってるようでは,とてもものにならない。数学を考えながら,いつのまにか眠り,朝,目が覚めたときは既に数学の世界に入っていなければならない。どの位,数学に浸っているかが,勝負の分かれ目だ。数学は自分の命を削ってやるようなものなのだ。

数学は体力だ!」より

これは幼い子供がいる場合は不可能です。そして育児は仕事と違って「期間を区切ってまとめてやる」ということはできないので、研究に没頭することは諦めざるを得ません。しかし子供がいることを「不利」なことだと考えてしまうのは何よりも不幸なことです。そもそも研究の第一線を突っ走るために大学院に戻ってきたのではありません。だから、

「数学も家庭もどちらも大切。それを両立することの苦労も含めて、今は多くのことを学んでいる」


と納得することにしました。

ちなみに、うちは夫婦の実家が共に都内で、特に妻の実家にはかなり育児のサポートをしてもらっています。それなしに、この3年間を乗り切ることはできなかったでしょう。

「学び直し」を検討している方へ

ここまで読んで下さっている方の中には、学び直しを検討している社会人の方や、一度就職してから再び研究の道に戻ることも視野に入れている学生の方もいるのではないかと思います。そういう方々にとって僕の経験が参考になればと思うのですが、経済的な状況、生活や家庭の環境、選考分野、仕事との両立可能性など、人それぞれ状況は異なるなので「これをやれば上手くいく」というようなアドバイスはできません。

代わりに、まず受験時の僕の状況を書いた上で、僕自身が気をつけていたこと、これをやっていて良かったと思うこと、こうすべきだったと後悔していることを、区別せずに列挙してみようと思います。皆さんの状況と照らし合わせて、参考にして頂ければと思います。

僕の状況

  • 妻と子供の三人暮らし
  • (当時は)夫婦共にフルタイムの会社員
  • 子供は保育園に通っている
  • 夫婦の実家は共に都内
  • 学業への理解は両家庭ともにある
  • 3年間分の貯金はあった

受験前

  • 大学院を受ける前に研究室を色々と調べ、面談して話を聞きに行こう
  • 配偶者や親族とは十分にコミュニケーションを取った上で受験に臨もう(気持ちでゴリ押ししてはいけない)
  • ちゃんと資金計画を立てよう(在学期間が所定年数を超える可能性も考慮しよう)

合格後、入学前

  • 指導教官には研究にどの程度時間が割けるかしっかり共有しておこう
  • 学生になる前に、社会人でなきゃできないことを済ませておこう(住宅ローンやクレジットカードの登録など)
  • 退職する場合には、その先も職場の人に応援してもらえるように良い別れ方をしよう

入学後

  • 指導教官とは定期的に顔を合わせ、困っていることなどは共有しておこう
  • 学力不足は誤魔化さず、学部生向けの講義に出るなりしてキャッチアップしよう
  • 若い学生と接する時は年齢や学年に関係なく「敬語・さん付け」で行こう
  • プレッシャーに押しつぶされないように、自尊心を回復できる場が大学の外にあると良い
  • 子供が風邪を引いたりインフルエンザにかかるリスクに備えて、論文は早めに完成させよう

最後に

僕のこの先のチャレンジを応援して下さる場合は、下記リンクからご支援を頂けますと助かります。月300円からのご支援で、お返しには今後書く論文やブログ記事で謝辞を述べると共に、サポーターの皆さんの名前(ユーザ名)を記載したページへのリンクを記載させて頂きます。

僕にとってのトポロジーの魅力を専門でない方に向けて書いたので、そちらだけでも見て頂けたら嬉しいです。

academist-cf.com

それでは、最後までお読み頂きありがとうございました。
博士号取得に向けて頑張ります🎓


昨年末に 学部・院生のための研究キャリア発見マガジン incu・be さんからインタビューを受け、大学院進学から研究までの経緯をまとめて頂きました。

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